緩和ケアには、それぞれの症状にあった適切な治療やケアがあります。「つらいな」と思ったら、どんなことでも遠慮せずに緩和ケアのスタッフへ伝えてください。
2人に1人はがんになるという時代、がんは珍しい病気ではなくなっています。2019年の日本の死因の第1位は悪性新生物(がん)、第2位は心臓病、第3位は老衰となっています。
緩和ケアとはがんの有効な治療が難しくなった終末期に行われる、というのは昔の話です。今はがんと診断されたときから、がんの治療を受けながらでも、痛みや吐き気などの身体の苦痛、がんと診断されたことによる心のつらさ、家族ががんになったという不安などの患者さん本人やそのご家族のつらさを緩和することが緩和ケアなのです。
当院ではがんと診断された人が、人生の最期の時までその人らしく、いきいきとできるだけ活動的に生きること、そして支えることを大切にしています。
以前は、がんと診断されると手術で切除できなければ、予後も非常に厳しかったのですが、最近では、早期発見や手術、抗がん剤、放射線治療などの進歩により、がんと診断されてからの生存期間が大幅に延長されています。
がんを抱えながらも、治療をしながら長期の生存が可能になっているのです。
痛みや気持ちのつらさを抱えていては、充実した毎日を送ることはできません。がんと診断されたときの心のつらさ、手術の痛み、抗がん剤の副作用からくる嘔気やしびれ、痛み、またがんそのものによる痛みなどを和らげることも緩和医療なのです。
少しずつ病気が進み、治療が困難となり、身体や心のつらさが深まったとき、ご自宅での生活が難しくなったときには入院を考えましょう。
当院の緩和ケア病棟では、できる限りそのつらさを和らげられるよう、医師・看護師・理学療法士・社会福祉士・栄養士など、多職種のスタッフで寄り添いながらチーム医療を行っています。
ご自身やご家族、親戚、友人ががんと診断されたとき、いつでもご相談ください。
がんは、日本人の死因で最も多い病気です。現在3人に1人ががんで亡くなっています。このように身近な病気になった、がん。あなたの大切な方も、がんに悩んでいるかもしれません。
がん患者さんは、がん自体の症状のほかに、痛み、倦怠感などのさまざまな身体的な症状や、落ち込み、悲しみなどの精神的な苦痛を経験します。「緩和ケア」は、がんと診断されたときから行う、身体的・精神的な苦痛をやわらげるためのケアです。
がんになると、どのようなことが起きるのでしょうか?
緩和ケアとは、がん患者さんの苦痛を取りのぞき、患者さんとご家族にとって、自分らしい生活を送れるようにするためのケアです。